未来都市 首都ブラジリア
標高約1,150mの高原地帯に建設された計画都市 首都ブラジリア
ブラジルの首都であるブラジリアは1960年4月にリオデジャネイロから遷都された。標高約1,150mの高原地帯に建設された計画都市。当時の大統領であるクビチェックは、手付かずであった内陸部の開発を首都移転によって実現し、最後のフロンティアを開拓しようと、ブラジル建築界の巨匠、ルシオ・コスタとその弟子のオスカーニーマイヤーを起用した。ブラジリアの中心はプラノ・ピロット(パイロット・プラン)と呼ばれ、飛行機のような形をしている。北ウィングと南ウィングに住宅、ホテル、病院、商店地区が、そして飛行機の機首部分には、国会議事堂、最高裁判所、大統領府などが立ち並ぶ。1987年にはこの街並みがユネスコの世界遺産にも登録されている。ブラジリアの都市は人造湖であるパラノア湖に向かって翼を広げた飛行機のような形になっているが、これは乾期の乾燥を和らげるために作られた。訪れるのに最適な時期は4月後半から6月前半。8月から9月上旬は乾季。雨季は、通常9月の半ばから始まる。
三権広場
Praça dos Três Poderes
三権広場は、飛行機の機首にあたる場所に位置し、周りが国会議事堂、大統領府、最高裁判所に囲まれているため、その名が付けられた。国会議事堂は中央H型の28階建ての議員会館ビルと、その左右のお椀型の建物から出来ており、正面右側に上院、左側に下院がある。この斬新なデザインはオスカー・ニーマイヤーの代表作であり、ブラジリアの象徴的な建物だ。見学は無料だが、内部を見学することも可能。
高原の宮殿とも呼ばれる大統領府前には、新首都建設に貢献した労働者を称え、「2人の戦士」の像(ブラジル人の彫刻家 Bruno Giorgi作)が、最高裁判所前には目隠しをし剣を持った女の像(公正な裁判を表現していると言われる)が立っている。最高裁判所向かいにはパンテオン(霊廟)があり、ブラジリア建設の歴史を刻んだレリーフが飾られている。国会議事堂向かいには外務省がある。とてもモダンな造りで、内部も印象的。夜のライトアップも美しい。広場の中心には高さ100mの掲揚台と巨大なブラジルの国旗が掲げられている。
1950年代にブラジリアの都市形成とほぼ同時期に建築が始まった。オスカー・ニーマイヤーによるこの設計は教会建築と現代世界を融合させた珍しい作りとなっており、中に入ると、16本の支柱の間にはめ込まれたステンドグラスが視界を埋め尽くすようにして広がっている。色は白と緑と青のみで、一般的な教会とは少し違ったモダンな印象を受ける。一番高いところで高さは40m、内部は36mある。
テレビ塔
Torre de Televisão
高さは230mの塔で、設計はルシオ・コスタ。高さ75mの展望台からは、360度、街を見渡すことができて、飛行機型の街並みを望める。三権広場を中央に、左右には住居群やホテル群、商業群などの建築群が規則正しく広がっていて、想像を絶する巨大な計画都市を一望できる。また美しい夕焼けを見られることでも有名で、首都ブラジリアの綺麗な夜景観賞もお薦め。週末には大きな民芸品マーケットが開かれる。ブラジル特産カッピン・ドウラード (黄金の草) の小物や、レースの敷物、アマゾンのアクセサリーなど、お土産にぴったりの商品がずらり。