チチカカ湖 Lago Titicaca
チチカカ湖はアンデス山脈のほぼ中央部の標高3890m 地点、ペルーとボリビアの国境にまたがって位置し、その面積は約 8300㎢もあり、琵琶湖の約 12 倍、最大水深部は約 281 mと、汽船が航行する湖として、世界最高所の湖とはとても、信じられないような湖だ。周りのアンデス山脈の雪解け水が 20 本余りの川となって流れ込んでいる。
チチカカ湖周辺地図
ウロス島 Isla de Los Uros
チチカカ湖には古くから葦舟を操って暮らしているウル族という人々がおり、彼らが住む島を総称して、ウロス島と呼ぶ。ウロス島はプーノの観光桟橋よりモーターボートで約 40 分。島といっても陸地はなく、島全体がトトラという葦のような水生植物を積み重ねて作られた浮島である。
チチカカ湖には大小あわせて 40 の浮島があり、合計でおよそ 700 人のウル族の人々が湖上で生活している。島からの移動もトトラを組んで造ったトトラ舟(バルサ)を使っている。ウル族はチチカカ湖に生息する魚や水鳥をとり、浮島の畠で野菜を作って生活している。大きい浮島には学校や教会もあり、ソーラー発電で電気も利用できる。ツアーのボートが島に到着すると、島の子供たちが民芸品や刺繍などを売りにくる。島民は一様に、昔ながらの民族衣装を身に着け、何百年もの間、何世代にもわたってこの島で暮らしている。青い空と湖の中に黄金色をした浮島が並び、鮮やかな衣装を着たウル族の人々が暮らす様はまるで絵画のような鮮やかさだ。
タキーレ島 Isla Taquile
タキーレ島はプーノ桟橋から東へ約 45km。モーターボートで約 3 時間ほどの場所に位置し人口約1,600 人の純粋ケチュア民族の人々が暮らす小さな島。島に上陸し、約 600 段ほどの階段を登ると、広場を囲むように集落がある。この島の人々の服装は特徴的だ。女性は黒いポンチョを、男性は手編み帽子をかぶり、女性のポンチョについている飾りが大きいと既婚、男性のかぶる帽子の先が白ければ未婚と未婚既婚の差をわかりやすくしている。この島では男性が編み物をしているのも特徴で、古くからペルー随一といわれる高い織物の技術が代々、島民に引きつがれてきた。この島の島民の多くが毛糸のポンチョや帽子、織物などの手工芸品や農業で生計を立てている。タキーレ島はそのような高い織物技術も含めて、2005 年にユネスコ世界無形文化遺産に登録された。チチカカ湖畔の町がどんどん開発されていく中で、昔のままの生活を続けるタキーレ島は電気も水道もない自給自足、物々交換の世界である。
文字を持たなかったとされるケチュア文化では、刺繍で描かれる模様やタキーレの暦は重要な役割を果たしている。そこには古くから受け継いできた文化や伝統が織り込まれている。
コパカバーナ Copacabana
プーノとボリビアの首都ラパスとのほぼ中間に位置するコパカバーナはチチカカ湖のボリビア側の半島に位置する街。プーノおよびラパスから、それぞれバスで約4時間 ( ラパスから158km) プーノからバスで行く場合、ラパス行のバスに乗り、コパカバーナで降りれば良いが、途中ユングーヨにて、ペルーの出国審査とボリビアの入国審査を受けなくてはならない。チチカカ湖に面したコパカバーナはインカ伝説の残る太陽の島へのアクセス・ポイントとなっており、首都ラパスからチチカカ湖を訪れる観光客で賑わう魅力のある街である。市内には観光客向けの土産物店やレストラン、ホテルなどが建ち並ぶ。コパカバーナの一番の見どころは 16 世紀に建てられた白い壁と屋根が印象的なカテドラル。
太陽の島 Isla del Sol
インカ帝国発祥の地という伝説が残る太陽の島はコパカバーナの桟橋から、船で北へ約 1 時間 30 分の場所にある。太陽の島は島中、段々畑に覆われており、島を観光するには結構な距離を登って行くことになるので、歩きやすいシューズと服装が良い。太陽の島には約 1000 人ほどのアイマラ系インディヘナの人々が住んでおり、彼らはジャガイモやキヌア、豆などの農業とチチカカ湖でとれるマスや水鳥などを獲って生活している。