南米三大祭りの1つ
インティライミ
インティ・ライミ ( 太陽の祭り ) は 15 世紀、インカ帝国の第九代皇帝パチャクティの時代から行われてきたお祭りで、日が最も短い冬至の日に太陽の恵みに感謝の意を込めて行われたお祭りといわれている。インカ帝国ではその年の収穫は皇帝の責任であった。ちなみに冬至はインカ暦の新年にあたる。1533 年スペインの征服者により、インカ帝国が滅亡したのち、1535 年から 1944 年に復活するまで400 年以上もの長い間、インティ・ライミは禁止された。しかし、この間もインカの末裔たちは、山奥に移り住み、インカの文化と伝統をひたすら守り続けてきた。そのため現在も、クスコ近郊の集落ではクスコのインティ・ライミのように派手な祭りではないが、素朴に太陽を崇める祭が行われている。
1944 年にインティ・ライミが復活すると、ケチュア語を操るインカの末裔やインカ文化に強い関心を持つ人々の手により、6月 24 日にインカ帝国の首都クスコで開催されるインティ・ライミは瞬く間にペルー最大の祭りとなった。現在リオのカーニバル、オルーロのカーニバルと並び、南米3大祭りの 1 つに数えられる。インティ・ライミには近隣諸国だけでなく、世界中から観光客が押し寄せ、クスコのホテルは満室状態となるので、早目の予約が必要。クスコのインティ・ライミは田舎の素朴な太陽の祭りとは異なり、収穫祭としてよりもインカ復興のシンボル的な意味合いが強く、6月 24 日 クスコにインカ帝国がよみがえる。
6 月 24 日の朝9時、 クスコ市内の太陽の神殿 ( コリカンチャ ) にてインティ・ライミの儀式が始まる。儀式後、インカ王は従者を従いアルマス広場までパレードをし、10 時半過ぎにインカ皇帝とクスコ市長が挨拶をする。その後、インカ皇帝を先頭にインティ・ライミのメイン会場へ向け行進。インカ王はクスコ郊外のメイン会場、サクサイワマン要塞に設営された祭壇より、太陽に向かって杯を掲げ、大司祭が太陽神に生贄を捧げる。